Complete text -- "自然の音、人工の音、好きな音"

12 December

自然の音、人工の音、好きな音

 僕が好きな音のひとつに自然の音があります。小学生の頃、モノラルのラジカセと安物(笑)のソニー製ダイナミック・マイクで野鳥や虫の音などを録っていたりしてました。また、自分の学生時代の作品の中で、例えば雨の音、海の音、水の音、雷の音、鳥の声、蝉の声等をサンプリングしたりして、使ってたりもしてました。その音の響きと隠喩・暗喩といったもの、厳しさであったり、侘びしさであったり、優しさであったり...、いろんなものを感じさせてくれます。音から宇宙を読み取ることもできますよね。また、その中にはいろんな要素が含まれており、それを抽出したり加工したりして使うのも好きです。そんな自然の音はイマジネーションを豊かにしてくれる大切な存在。

 かといって人工的な音が嫌いかというとそうでもなく、電子音、とくにシンセサイザーの音が好きです。電子音楽に最初の興味を抱いたのはやはり小学五年生の頃。ラジオから流れてくる作曲家・冨田勲氏のシンセサイザー・アレンジによるドビュッシーのピアノ小品やムソルグスキーの「展覧会の絵」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」、ホルストの「惑星」といった作品をエアチェックし、何度も聴いては、その冨田氏が創り出す壮大な音響の世界観に心を奪われておりました(もちろん、もとのオリジナルも素晴らしいです)。ただ、その当時エアチェックした音はモノラルだったのですが、中学の時に購入したレコード「展覧会の絵」を改めて聴いて、その広大なステレオ音響空間の構築方法にまた大きなインパクトを受けたものです。それらの豊かな発想のもとで作られた音響からの刺激は、今の自分の音作りの姿勢や音響空間の設計に少なからず影響を与えているでしょうね。
 あらゆるシンセサイザーまたは音響合成技術は、既存の楽器を模倣するもの(だけ)ではなく、作曲家の頭の中で鳴っている音響体を自由に再現できる(可能性のある)、あるいは創造できる(可能性のある)、現時点での唯一無二のツールなんですね。生楽器では不可能な音の制御を可能とするのがシンセサイザーです(これは決して生楽器が劣っているという意味ではありません、生楽器はとても優れた楽器です。念のため)。音響合成技術はまだ発展途上ではありますが、そんなところに僕は魅力を感じるんですね。やはりイマジネーションを豊かに刺激してくれます。
 そして、こういった電子音楽への興味はやがて、サンプリングを通じて、他の人工音(環境音)へも興味の対象は広がっていきました。

 ま、結局は音そのものが好きなんでしょうね(笑) とはいえ、何でもOKというわけではないですけどね。

 ちなみに、生楽器群の中で特に好きな音は、グランド・ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、弦楽オーケストラ、オーボエ、笙、津軽三味線、ジェゴグ、シタール、タブラ...などかな。あっ、それと女性...じゃなく(笑)女声も好きです。




23:30:45 | kyon | |
Comments

hase wrote:

先生はやっぱりすごいですね><

自然の音はいいですよね。。。
癒されます。。。
その節は大変お世話になりました><

わたしはオーケストラのチューニングの音が
わくわくして好きです♪
12/13/07 04:31:40

kyon wrote:

haseさんを見かけると不思議とホッとする今日この頃〜♪。
忙しさは取りあえず一段落でしょうか?
レモネードも通過し良かったです。

haseさんも自然の音が好きですよね。曲を聴かしてもらったときも楽曲の世界観のなかからそんな感じを受けました。
自然の音、また必要なときはいつでもどうぞ〜♪

オーケストラのチューニング音、ほんとワクワクしますね。僕も好きです。
オケのチューニング音をサンプリングして一曲作れそうですよね(笑)
たぶん既に誰かがやっているだろうけれど。
12/13/07 12:08:26
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